医療現場では、今後ますます外国人患者と関わる機会が増えていくでしょう。医療英語を身につけることで、さまざまな現場で有利に働ける人材になれるはずです。
ここでは、日本ではメジャーな英語スキルTOEIC以外で、医療の現場で役立つ医療英語の資格をまとめました。
各資格の特徴や試験内容から、自分の仕事に活用できる資格を見つけてみてください。
医英検 (日本医学英語検定試験)は、日本医学英語教育学会が主催する医療英語に特化した検定試験です。
基礎からエキスパートまで4つの等級に分けられ、医師や看護師など医療従事者が現場で実践できる英語力を身につけられます。
国内でもメジャーな資格でもあるので、転職の際にも役立つはずです。医英検の概要や仕事への活かし方など、詳しくチェックしてみましょう。
頭字語や略語は、日頃から診察で使用されていて、頻繁に目にするため、何となく理解しているというレベルの方もいるでしょう。医英検やCBMSの学習をすると、医療英語の頭字語や略語の意味について理解を深められます。
例えば、以下のような用語が挙げられます。
何となく使っている略語や頭字語について、理解を深められるのは大きなメリットです。
医療英語認定試験(CBMS)は、一般財団法人グローバルヘルスケア財団が主催している試験で、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、救急救命士、その他の専門職、事務職などのスタッフに医療英語のスキルアップを図るために設立されました。
2種類の試験があり、獲得点数から英語力を判定します。
試験の概要や仕事への活かし方など、詳しくチェックしましょう。
医英検・CBMSの資格を取得すると、自信を持って外国人患者さんと話せるようになります。自分に自信が持てると気持ちや態度にあらわれます。堂々と振る舞えるようになるのはもちろん、はっきりと大きな声で話せるようになったり心に余裕が出て笑顔で対応できたりするようになるはずです。
上記にプラスして、医療従事者が話している内容が理解できるようになるため、業務をよりスムーズにこなせるでしょう。
医療通訳技能検定試験は、一般社団法人日本医療通訳協会が主催している、医療通訳技能のスキルを図る試験です。
医療通訳は近年どの医療現場でも需要が高まっているため、持っていると転職にも有利に働くでしょう。
1級・2級があり、1次試験は筆記・2次試験でロールプレイ面接の試験があります。
英語以外にも中国語・ベトナム語・ポルトガル語・ロシア語・スペイン語・韓国語が対象となるため、多言語グローバルな活躍がしたい方にもおすすめです。
医療通訳技能検定試験の学習機会を得られるのがメリットです。とりわけ、医療従事者は、毎日多忙であり緊張を強いられる現場で働いています。そのような状況の中、検定受験によって、何としてでも学習をしなければならなくなります。
例え強制的な学習機会であっても、時間を作って学習できるのは、大きな意味を持ちます。医療英語について学んで知識を身に着けていくと、日本の医療現場はもちろん、世界の医療機関で働きたいと考えている人にとってはスキルアップ向上を目指せるなど、受験で得られるメリットも期待できるでしょう。
医療通訳士になるための
医療通訳技能検定試験
について詳しく知る
医療通訳技能認定試験は、「技能検定」「技能認定」と名前が似ていますが、こちらは一般財団法人日本医療教育財団が主催している認定試験で、厚生労働省『医療通訳育成カリキュラム基準』に対応しています。
英語と中国語が対象で、等級などはありません。目安となる語学力はそれぞれ下記の通りです。
医療通訳技能認定試験の資格を取得するということは、医療分野においての自分の英語能力をあらわす1つの指標でもあります。最近、医療機関の中には、国際診療部という外国人に対応する部署や専門の受け入れ機関を設置しているところが増えてきています。そのような場所で業務をする際、資格を受験するときに学習したことが役立つはずです。
医療通訳士は比較的新しく、2020年にはじまった制度です。国際臨床医学会(ICM)からの認定を受けることで活動できる資格です。
医学知識や英語力だけではなく、倫理や通訳力、接遇などのスキルが問われます。詳しく確認してみましょう。
医療通訳者は言語はもちろん、文化・宗教・習慣・医療制度といった違いも踏まえてコミュニケーションを仲介しなければなりません。また、患者さんの代理人と見なされたり、代弁者としての役割をこなさなければなりません。そして、医療通訳者は、患者と医療従事者の意思疎通をサポートする役割があります。
医療通訳者がサポートすることにより、外国人患者は日本人同様、安全で円滑に医療が受けられたり、医療機関は意思疎通のミスから起きうるリスクを抑えたりすることができます。
※上記は講習会の受講料です。
TOPEC看護英語試験は、主に看護業務に携わる医療従事者の英語力アップのために実施される試験です。
看護の場面で必要となる医療英語を身につけられるので、外国人患者とコミュニケーションをとる看護師におすすめできます。TOPEC看護英語試験について、詳しくチェックしていきましょう。
医療英会話技能認定は、一般財団法人日本医療教育財団が主催している認定試験です。
主に、受付や案内を行う事務スタッフの英語力アップを目的として、基礎的な医療英語の習得を目指します。
択一式の筆記試験30問程度とロープレ対面試験2問(資料持ち込み可)となっており、認定料も3,000円(税不明)のため比較的チャレンジしやすい資格試験と言えるでしょう。
英語の能力を測る試験には、英語検定やTOEIC、TOEFLといったものがあります。これらの試験を受けているからといって、医療に関する英語の能力を習得していると証明にはなりません。しかし、医療英会話技能認定に合格すると、医療で使用される英語を習得していることの証明につながります。
上記のほかには、外国人患者からの病状の訴えを理解できるため、日本語に不慣れな外国人患者にも適切な医療サービスを提供しやすくなるでしょう。
USMLE(United States Medical Licensing Examination)はアメリカの医師免許取得に必要な国家資格です。そのため英語力はもちろん、医学の知識も相当に必要とされています。
日本国内で医師として実績を積んでおり、海外も視野に入れている人にとっては目標にする価値のある資格と言えるでしょう。
2023年からは、世界医学教育連盟もしくはJACME(日本医学教育評価機構)が認めている大学の医学部の在学生・卒業生にしか受験資格が与えられなくなるため、業界的に見てもより権威性の高い資格試験となるかもしれません。
USMLEの資格を取得すると、医師の就職活動におけるマッチングで有利になる可能性があります。自分が研修したい医療機関へ面接や筆記試験を受けにでかけて、双方の希望が合えば就職できる可能性があるのです。
都会の大きな医療機関には、USMLEの資格を有している医師もいるため、そこまで珍しくないかもしれません。しかし、中小規模の医療機関を受験した場合、受験者の中でUSMLEを持っている人がいない可能性があるため、評価につながる可能性があります。
※1ドル:150.26円換算(2023年11月17日時点)。
TOEFL(トーフル)は、アメリカの非営利教育団体ETSが運営する、英語でのコミュニケーション能力を測る試験です。
日本の就活ではTOEICが有名ですが、TOEFLの歴史は遡ること1964年からの歴史のある英語試験として、世界160か国、11,500以上の大学・大学院・その他機関で活用※されており、より世界的に認知されている資格と言えるでしょう。
北米の大学などに留学経験のある・もしくは検討していた方には馴染みのある資格試験かもしれません。
TOEFL iBTは、アメリカの非営利団体のETS(Educational Testing Service)で開発された、英語運用能力の測定試験のことです。海外で信頼度が高いとされる資格であり、国内でも注目されています。
TOEFL iBTの資格を取得するメリットは、以下の通りです。
IELTS(アイエルツ)は、「海外留学や研修のために英語力を証明する必要のある方、およびイギリス、オーストラリア、カナダなどへの海外移住申請に最適なテスト※」とされており、イギリス圏・イギリスと関係の深い国々ではメジャーな資格試験です。
TOEFLと似ていますが、アメリカが運営しており北米圏に強いのがTOEFL・イギリス(とオーストラリア)が運営しているのがIELTSです。
IELTSは、日本では公益財団法人日本英語検定協会が実施しています。
IELTSは、試験内容や評価の公平性や信頼性、品質において、高い基準を満たしていることから、世界中で信頼されていると言われています。現実に即した英語のコミュニケーション能力を測る試験として、140ヶ国・合計11,000以上もの教育機関や国際機関、政府機関に採用されているのが特徴です。また、IELTSは国籍や性別、文化的背景、受験する際に、特別な配慮が必要かどうかにかかわらず、すべての受験者に公平であるということで知られています。
医療の現場で役立つ資格にも様々な種類があることが分かりました。これらの資格を取得することで、今の自分のお仕事だけでなく、転職時のアピールにもつながります。
医療業界で使われる用語や構文は他でも通用することも多いため、今のうちから転職も視野に入れておくのもひとつの考えです。
下記ページでは医療英語を活かせるお仕事についてもまとめていますので、是非ご覧ください。
マンツーマンレッスン×外国人講師
料金 | レッスン単価:2,980円~ ※チケット制・1回50分 |
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教材 | 20種類以上のカリキュラムからオーダーメイドで作成 医師 / 歯科医師 / 看護師 / 保健師 / 助産師 / 薬剤師 / 理学療法士 / 作業療法士 / 言語聴覚士 / 柔道整復師 / 鍼灸師 / 救急救命士 / 臨床心理士 / 介護士 / 歯科衛生士 / 医療通訳士 / CRA / MR / 栄養士 / 医療事務 ほか |
卒業後の国内外のキャリアサポート | キャリアカウンセラーがサポート |
グループレッスン×外国人・日本人講師
料金 | 全12回:275,000円 ※週1回・120分~180分 |
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教材 | オリジナルの医療英語学習オンラインプログラム 「MEhub Active Learning Program」 |
卒業後の国内外のキャリアサポート | 記載なし |
eラーニング講座×日本人講師
料金 | 16,500円 ※学習目安:計20時間 |
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教材 | IPECが開発した「Nursing English in Action(第2版)」を使用 |
卒業後の国内外のキャリアサポート | 記載なし |
※選定条件(2023年2月21日調査時点)
Googleで「医療英語 スクール」「医療英会話 スクール」と検索して表示される24社を調査し、場所を選ばず受講できるオンライン特化の英会話スクールサービスを展開する10社のうち、学び方の違う3社を下記条件で選定。
・HLCA:最も多い20種類以上の医療職種に対応している専門性と、留学斡旋を行ってきた背景による就職相談サポートから、キャリアアップも見据えている方におすすめできると判断。
・めどはぶ:唯一「主体的・自律的に学ぶアクティブラーニングの実践をするチーム学習を取り入れ、モチベーションを支え合い学習の習慣化を図るように設計」と記載があり、モチベーション維持が難しい方におすすめできると判断。
・ILC国際語学センター:唯一eラーニング形式で完結する講座を展開しており、かつ実際の学校教科書を元に体系的に学べるカリキュラムから、学ぶ時間が限られている方におすすめできると判断。